第29回 愛知県作業療法学会

ご挨拶

第29回愛知県作業療法学会のテーマは、「その時 作業療法士はどうする?~災害や人生の最終段階での支援」です。教育講演として「災害」を、市民公開講座として「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」を企画いたしました。

東日本大震災が起こった2011年3月11日14時46分頃、私は訪問リハ業務のため、名古屋市の利用者宅に車で向かっていました。運転中に長く続く揺れを感じ、車酔いに似た気分の悪さを覚えました。車から見えるショッピングセンターでは、買い物客が続々とビルから屋外へ避難していました。地震直後から電話は不通。利用者宅のテレビで放送される地震火災の映像に、ただならぬ事態であることを知りました。
来年は東日本大震災から10年という節目の年です。10年前は熱心に取り組んだ災害対策。今でも継続できていますか?「異常気象」の言葉を聞かない年はないのに、災害に対する意識が色あせてしまっていませんか? 今学会の教育講演でコロナ複合災害を皆で学び、災害と直面した人々へどう作業療法士としてかかわるか、前もって考え準備しておくきっかけにしていただけたらと思います。

アドバンス・ケア・プランニング(ACP)とは、「人生の最終段階にどのようなケア・医療を受けたいか、どんなことを大切にしたいか」の意思決定のプロセスのことをいいます。より親しみやすい「人生会議」との愛称があります。小藪さん起用の「人生会議」ポスター騒動がきっかけで、世間から注目を集めました。
作業療法は対象者を中心にとらえ、その人の人生や大切にしたい作業に価値をおきます。このことはまさにACPの根幹であり、ACPと作業療法は非常に親和性が高いのです。しかし、作業療法士からは「終末期の対象者と関わる機会がないからよくわからない」との声も聴かれます。実はACPは、将来に備え元気なうちからの取り組むものでもあるのです。そして、私たちは日頃意識はしていなくてもACPの一翼をすでに担っていると思います。
その人の人生や大切にしたい作業を、コロナ渦の下、私たちはどのように支援すればよいのでしょうか? 皆で学び、新しい時代を作り上げていきましょう!

学会はオンラインの開催も視野に入れています。オンラインであれば、遠方や育児中でも自宅から参加できます。こぞっての参加をお待ちしております!

第29回愛知県作業療法学会
大会長 山内 正美
(医療法人財団善常会 善常会リハビリテーション病院)